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3 疑似ステレオ
遂にCD-Rドライブを購入しました。
大容量メディアという観点だと630MのMOドライブという選択肢もありましたが、HDが20Gとかいう時代になっても、630MのMOドライブは普及していないこと(値段は高いし、仕事上のデータのやりとりはいまだに230Mが主流)、少なくともCD-ROMのドライブはWin、Macほとんど全てのマシンに搭載されていることを考えると、CD-Rに軍配が上がります。しかしCD-Rが欲しくなった一番の理由は、音楽CDが焼けるということを知ったからです。
自分の好きな曲を好きな順番に焼いたMy-CDを車で聞いたりする人は
多いようですが、私はLPをCDにしたかったのです。
私はいまだLP愛好家です。好きな演奏がCD復刻にならないことも一つの理由ですが、マニアの間では以前から言われているように、優れた録音のLPはCDよりも音が良いと感じているからです。(理屈ではあり得なくても、事実、響きが全然違います)
ただ、どんなに音が良くてもLPはいつか傷つくという不安があり、CD復刻版を買うくらいなら自分で焼いてバックアップをとっておこうと思ったわけです。ところが、いざCD-Rのユーティリティを購入してみると驚いたことがありました。
それは、モノラル録音を疑似ステレオにできるユーティリティが付属していたことです。
試しにモノラルのCDをAIFFファイルにして疑似ステレオ化してみると、それはそれは素晴らしい音の拡がりが出るではありませんか!
ステレオ録音は1940年の映画「ファンタジア」が最初という説がありますが音楽では一般的に1956〜1957年頃の録音からです。それまでの1940〜1950年代のモノラル録音を疑似ステレオ化したLPが1970年代には結構出ていました。
マスターを疑似ステレオ化することに賛否両論ありましたが、少なくともオランダPhilipsだ英DeccaだEMIだという天下のレーベル会社が当時の最新技術を駆使したことは事実で、自分で簡易疑似ステレオ再生装置を組み立ててみたこともありましたが満足できるものにはなりませんでした。
ところが、そんな20年以上前に試行錯誤しながら憧れた疑似ステレオがPCで簡単にできるようになっていました。電気少年時代に戻った気分で思わずワクワクして夜なべしてしまいました。
パソコンがコンピュータと初めて実感した瞬間です。結局、LPのCD化という当初の目論見はステレオとPCの部屋が異なるという重大な問題に直面して中断していますが、モノラル録音のCDを疑似ステレオ化してMy-CD化したことで満足感に浸っています。
-2000.12.3-
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