今週のクウガ

-EPISODE 45-

≪闘うリント・一条さん危うし!!≫

「ハム太郎」も「ドラえもん」も「タイムレンジャー」も「デジモン」も「こち亀」も、クリスマスがらみの話や1時間スペシャルを放映したこの週末でしたが、クウガはそんな世間のお祭り騒ぎとはまったく無縁に、ストイックに独自の物語世界を展開していました。硬派だねぇ…(*^^*)

といっても、最終話まであと1ヶ月、いよいよ「ゴ」の最強戦士が動き出し、ダグバ人間体もついに声を発したっていう展開の中で、クリスマスパーティなんかやってられるわけはないのですよね。(でも、五代君に連れられて保育園で生真面目なサンタになってる一条さんとか、ポレポレでおやっさんに肩を組まれて戸惑いつつも「ジングルベル」を歌う一条さんとか、なぜか薔薇女とシャンパングラスを合わせて微笑む一条さんとか、見てみたいですけどね〜(笑))……と、冗談はさておき、今回はかなり思いがけない展開というか、グロンギ内部の新たな関係性が見えてきたというかで、とても興味深い回でした。

まずはガドルとクウガの激突。今のクウガでは歯が立たない、ということは予想していましたが、腹に刺さったタイタンソードに動じないばかりか、グロンギ仕様に変形して取り上げてしまったのは、けっこうショックでした。更にガドルが超変身(パワーアップするとやっぱり毛が生えるのですね〜(笑))して金の力をも使ったというのもまたショック! 常に超人的な回復力を見せる五代君が意識不明の重体に陥るとは恐るべし!ここまで打ちのめされてしまうと、ほんとにもう、桜子さんじゃないけど「もっと強くなってもらわないと困る〜」と思ってしまいます。 でも、なぜガドルはとどめを刺さずに立ち去ったのでしょう? もう死んだも同然と思ったのでしょうか?それとも、意外とフェアプレー精神の持ち主だった?(笑)また、あれだけやられているのに、薔薇女が「クウガがガドルを殺すかもしれない」と思うのはなぜ? もう黒いクウガ=ダグバと等しい力を持つ戦士の誕生は予定されていることなの? いずれにしても、次回はいよいよ黒いクウガの登場ということになるのでしょうか。

もう一つ驚いたのは、ドルドの怪人体。いつも算盤を持ち歩いていた彼、戦士のグロンギとは別種という気がしていたのですが、どうやらガドルと対等に戦えるらしいじゃありませんか! けっこう見た目も邪悪で強そうです(何か身分や役割を表すものなのかと思っていたあの白い布は人間体・怪人体通しての「服装の好み」だったのね(笑)コンドルなんだけど、どことなくミイラっぽい感じもします)あのいでたちでいつも犯行現場をうろついてるんだから、今までマークされなかったのが不思議なくらいですが、今回ついに一条さんのライフルが彼を捉えた!! 一条さん、算盤も一緒に撃っちゃったのはちょっとミスなんじゃないかと思ったのですが、結果的にはそれがガドルとドルドの闘いの原因になり、ひいてはクウガの復活までの時間稼ぎになるわけで、うーん、やっぱり一条さん、読みが深い(?)。

…それにしても、ドルドに吹っ飛ばされて鉄塔の柵にぶら下がったときはほんとにハラハラしました!! 風がビュービューいうようなすごい高さでした(^^;) でも、さすが一条さん、鍛えた身体は生身でもちゃんと危機を乗り切ることができるのでした。杉田さんが駆けつけたとき、手がちょっと痛そうだったけど、敢えてそれには触れず、自分の身の危険についてはさらりと流して「マーキング弾を打ち込むことに成功しました」と冷静に報告しているところがかっこよかったですね〜! さすが、「闘うリント」の代表選手、プロですね。それにしても、杉田さん、駆けつけるのが遅すぎます!「危なかったな〜〜」なんて暢気にいってるんじゃないっちゅーの!(笑)

グロンギがらみでは、薔薇女が白服に対して全然敬語を使わない、ばかりか「おまえ」と呼んでいたのがもう一つショックでした。「ダグバ=支配者=神、薔薇女たち=神官」という私の予想はどうやら間違っていたようですね。薔薇女はダグバよりある意味高位の存在なのでしょうか? 「おまえが究極の闇をもたらすのだ」なんて、そんなすごいことを貴女が指示するのですか!? 薔薇女は実は女王だったのか? グロンギ社会がどういう風になっているのか、またまた謎は深まりました。でも、なんとなく雰囲気としては薔薇女と白服は姉弟で、支配者ないしその第一候補者である弟を守り立派に君臨させるために、姉がいろいろ暗躍しているという感じもしました。それだったら、「おまえ」呼ばわりもわかるし、薔薇女の不可侵的な地位の高さも分かるんだけど……まあ、そんな単純なことじゃないんだろうなぁ…

それから今後の展開として不安なのが、ドルドの狙撃によってガドルが戦うリント・一条さんの存在を知り、「そんなリントがいるのか…戦ってみたいものだな」と言っていたこと。もともとガドルのゲゲルは警察をターゲットにしているのだから、一条さんと桜井さんが話していたように、合同捜査本部も当然対象ではあるのですが、それと名指し(名前は知らないだろうけど(笑))で敵視されるのは全然意味も危険さも違います。ガドルが一条さんをつけ狙って殺す(いやっ!考えたくないっ!でも……)ようなことがあったら、それこそが五代君の心に爆発的な怒りを呼ぶことになるでしょう……ああ、そう考えたら、やっぱり某所でささやかれている一条さん殉職説がけっこう理にかなっているような気がしてきてしまいます。やっぱり一条さんは黒いクウガ誕生の礎にならなくちゃいけないの? さらに妄想をたくましくすれば、一条さんの魂がクウガに入り込んで、二人の愛と正義のパワーをもってして、ようやくダグバに勝てる、てなことだってあり得る……(TT)
いえいえ、一条さんのいない最終話の大団円なんて、断固認めません!
五代君! どうかがんばって一条さんの笑顔も守ってねっ!(懇願)

最後に、忘れてはいけないのは、榎田さんの「母の危機」。ヒーローもののストーリーとしては、傍流の1エピソードでしょうけど、私としてはかなり身近で重たいテーマなので、こちらも手を抜かないできちんと解決して欲しいと思います。「科警研、人増やせよ〜」とか「非常時なんだから民間企業とか大学とかにも開発プロジェクト任せろよ〜」いうのは他方の解決策ではあるのですが、程度の差こそあれ、働く母親にとって(もちろん父親も同様ですが)「仕事か子供か」という順位付けを迫られる場面というのは多々あります。主に限られた時間をどちらに割くかということなのですが(溢れるほどの気持ちが子供に向いていたとしても、結局子供に伝わるのは側にいるという事実なんですよね(^^;))、榎田さんほどヘヴィな仕事でなくとも、とりあえず子供一人にガマンしてもらえば…ということで、仕事を優先する場面も多いというのも事実です。特にシングルマザーの榎田さんは、母親であると同時に父親でもあるので負担は重く、しかも母親役を肩代わりしてくれるはずのお母さんが完全に子供サイドに立ってしまってフォローしてくれないので、孤立無援。気丈な人だけに、全部一人で背負い込んで、心理的にはもう限界という感じです。母親と子供と両方の立場を理解しうるジャン(実にいいタイミングで登場! そこはドラマのいいところ)が、今にも倒れそうなヒカリさんを救えるか? がんばって欲しいと思います。

ところで、今回初めて涙を見せた榎田さん。しかもジャンの前で! 通常、この手の心理的葛藤の受け皿になってなにがしかの希望を与えてくれるのは五代くんの役割なのですが、榎田さんの問題に限っては、それが外国人青年ジャンであるというところが、実に深い。多分、五代くんの優しいきれいごとでは解決できないでしょうし、幼くしてストイックな生き方を体得してしまった一条さんには、サユルくんの屈折が甘えにしか見えないだろうし、独り者には親の気持ちもわかんないだろう。じゃあ父親である杉田さんとか松倉本部長じゃあどうかっていうと、きっと奥さんに安心して家庭と子供を任せている「父親」にすぎない彼らには、榎田さんの苦しさはわからない。これまでのいきさつとジャン自身の生い立ちというのももちろん理解の下地ではあるでしょうが、彼が日本的家族観の枠組みの外側にある外国人、というところがポイントなんじゃないかなと思います。ジャンがあげた紙工作ブックは、サユルくんにとってもママとのふれあいの象徴みたいになってるようだし、母子双方にとって、幸せな着地点に導いてあげられるのではないかと期待してます。……で、そんなことまでできちゃうジャンと榎田さんの関係って、どうなんでしょうね??

…という具合に、個人的に「気になる」要素を数えていくと、本筋からすると重要であるはずの「桜子さんの決意=五代君を医学的方法を使ってでももっと強くする」が、けっこうかすんでしまったりします。人間・五代雄介の今後というのは、一条さんもかなり気にしていることではあるのだけど、今回は、とりあえず判断保留とさせていただきます(^^;) …というか、結局どうなろうと五代君が「大丈夫(^^)b!」という以上、悪いことにはならないはず、という楽天的な気分で見守っているという感じですね。そのへん、やっぱりドラマのお約束をアテにしている、ということなのかな。「みんなの笑顔を守りたい」という五代君の希望、「五代を再び冒険の旅に出してやりたい」という一条さんの希望、どっちも実現することを、心から願って、いえ、信じています(^^)

最後に、今週の「ついつい目がいっちゃったこと」

究極の闇をもたらす存在である白服くんが「楽しみだね、とても…」とか「待ってるよ…」とか、しっかり美少年口調で話してるのに、どうして薔薇女はこうも口調が硬いのでしょうね? まあ、よくある悪役美女みたいに妙に色っぽくしゃべられたら、それはそれでやだけど…(笑)
とはいえ、白服と二人きりで今後の展開を話し合っている薔薇女は、他の連中といるときに比べて格段に人間味(?)が出てきている感じ。最後に二人で微笑み交わしたのも、これまでの怖い微笑とは違って優しかったと思うのは気のせい?…どうしても二人を姉弟だと思いたい私…(^^;)
桜井さんと一条さんって、年齢で言うと桜井さんの方がちょっと上なんだけど、お互いすごく丁寧に敬語で話し合っている。一条さんがキャリア、桜井さんがノンキャリなのかな(桜井さんはキャリアに敬意を、一条さんは経年に敬意をそれぞれ払って、気を遣い合っている)と思ったんだけど、職位は二人とも同じ「警部補」だから、どっちもキャリアらしい。礼儀正しくないのは杉田オヤジだけか…(笑)
桜子さん、先週から前髪を下ろしてちょっとかわいくなりましたね。でも、椿先生、せっかく桜子さんが病院に来てくれても、いつも第一声が「五代君のことで……」では可哀想(^^;)

-2000.12.24 放映-

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