日曜の朝の密かな楽しみ
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≪はじめに≫
何を隠そう、私はドラマフリークです。
あらゆるドラマを、なんて豪語するつもりはさらさらありませんが、それでも、十代の頃から子供が産まれる前まで(ってけっこう長い間かも)は、かなり熱心にゴールデンタイムのドラマはチェックしていて、「録画忘れちゃった〜!」という友達が、見損ねた回のストーリーを聞きにくる、という程度にはオーソリティだったのです。
で、私にしゃべらせると、ストーリーを流れのままに話すのではなくて、前回からのつながりとか台詞にはないけど表現されていた人物の心の動きとか、実はこの行動にはこういう意味があるんだよねとか、これは複線になるはずとか、そういう情報も含めて(要するに小説の地の文みたいな感じで)展開を説明し、かつキメの台詞はちゃんと芝居入りで再現するという調子なので、人物関係やストーリーが複雑なドラマだったりすると、けっこう重宝がられていたりしました。
台詞を細かく覚えてるのもまあ特技(?)ともいえるのですが、私のドラマウォッチングは、制作サイドのねらいみたいなところまで、他の人よりちょっと深読みしちゃうようなところがあるのです。もちろん、常に裏読みばかりして何の感動もなく冷静に見ているかというとそうでもないし、基本的にドラマは役者で観るタイプなので、しっかり登場人物に感情移入して泣いたりなんかもしてる(というか、かなり単純に「泣かせ」には乗せられてしまう方ですね…)のですが、それでも、やっぱり無意識に「意味」を見出そうとしてしまうようで、文学部の悪い癖なのかも知れないですけど、そういう見方が結構好きで、楽しかったりします。
さて、前置きが長くなりましたが、そんなドラマフリークの私も、母親になってからは、なかなか好きなドラマを観ることができなくなってしまいました。まず、ゴールデンタイムは子供のお風呂やねんねのためのひたすら慌ただしい時間だし、ビデオを撮って夜中に見ようと思っても“添い寝生還率”が低くてとても無理(^^;)、週末にまとめて…なんて時間はさらになく、結局虚しくたまっていくビデオに嫌気がさして、「もーいいやっ!」となってしまうのです。だいたい、ひところ流行った犯罪ものとか異常心理ものなんか(好きなんですが)は、子供のいる前で観るもんじゃないし、恋愛ものもシーンによってはちょっとな〜というところあるしね。
だけど、身に付いたドラマ好きのサガはそう簡単には抜けなくて、“ああ〜面白いドラマをじっくり観たいなぁ〜”と実はけっこうストレスがたまっていました。と、そんな時、みつけたのです! ゆっくり観られる時間にやってる面白いドラマを。
……その時間とは、日曜日の朝8:00。
そう、素敵な登場人物にたっぷり感情移入しつつ謎解きと先の展開に胸躍らせるそのドラマとは……「仮面ライダークウガ」なのです!!
なぁんだ、観るに事欠いて子供番組かいな、と思うでしょう? でも、「クウガ」はちょっと違うのです。作り手の志が高いというか、思い入れが深いというか、手間もお金も(たぶん)たくさんかけて作った、大人の鑑賞に堪える作品なのです。
番組の公式サイトをみるとよくわかるのですが、ヒーローものにありがちなご都合主義を極力避けて、すごくしっかりした設定を基に物語世界を構築しているし、人物の造形もかなりリアルで、脇役にもちゃんと人生があって、ふとスポットが当たると一人一人に立派なドラマがあるという感じ。映像もハイビジョン撮影で、カット割りやカメラアングル、光と陰の効果などもすごく凝っていて迫力があります。敵との対立の図式も複雑で、もちろん単純な勧善懲悪ではない。ときには戦って相手を倒すということに疑問を投げかけたりもする。ちょっと子供には難解かな、というところもあるけれど、だからこそ大人(私だけじゃないはず!)が惹きつけられるわけで、まさに番組のキャッチフレーズどおり、「New Hero, New Legend」の誕生だと思うのです。
…と思わず熱くなってしまうのですが、とりたてて公に語るほど深い趣味や知識を持たない私が、子供たちのこと以外に今いちばん詳しいことは、クウガの物語世界かも知れません(それでいいのか?ということはまあちょっと置いとくとして)。すでに何人かの友人にはクウガ熱を吹き込んで、語り合えるところまで引きずりこんでしまいましたが、クウガはまだまだ深い! 毎回観るたびに新しい発見があり、謎が深まり、はまっていき、語るべきコトがたくさんあるのです。
そんなわけで、「薔薇の掟-Mama's Dimension-」の栄えある最初のテーマは、今いちばん楽しみにしているドラマ「仮面ライダークウガ」です。次項から、クウガの魅力を具体的に解説(?)したいと思います。
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あ、ちなみに、なぜ日曜の8:00〜8:30という時間帯が「ゆっくりドラマを楽しむことができる」時間なのかというと、パパとサトシはぐっすり眠っていて(平和主義者のサトシは戦いものはキライなので起こさなくていいのです)、ヨシキは起きているけどとりあえずミルクを飲んで満足して大人しく遊んでいてくれる、というママにとってのエアポケットみたいな時間帯だからなのです。